葬儀社に頼む方法も、自分で送る方法も。

改葬・墓じまい・承継

いまあるお墓からお骨を移すときの手続きと、よく誤解されているところをまとめています。

まち葬式改葬・墓じまい・承継

先に、よく誤解されているところ

手順より先に、ここを置いています。間違えたまま進むと、遠方の窓口へ行ってから出直すことになるためです。

改葬許可は、引っ越し先(新しい納骨先)の市区町村でもらう

許可を出すのは、いまお骨がある場所の市区町村長です。新しい納骨先の自治体ではありません。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律5条2項

遠方の実家のお墓を移すときに、いちばん間違えやすいところです。手元の市役所へ行っても受け付けてもらえず、出直すことになります。

分骨するときも改葬許可が要る

分骨は改葬ではありません。改葬許可は要らず、墓地の管理者(または火葬場)が出す分骨証明書を使います。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則5条

要らない手続きのために、窓口へ行く手間がかかります。逆に、分骨証明書を取り忘れると、納める側で受け付けてもらえません。

改葬には期限がある

改葬に法律上の期限はありません。「今年中に」「◯回忌までに」という決まりもありません。

急かされて決めた契約ほど、あとで金額が合わなくなります。期限が無いことを知っていれば、落ち着いて比べられます。

離檀料は必ず払わなければならない

支払い義務を定めた法律の規定はありません。これまでのお付き合いへのお礼として渡す慣習で、金額の決まりもありません。

「払わないと埋蔵証明書を出さない」と言われる例があります。金額に納得できないときは、その場で決めずに相談先(下)へ。

お墓は相続財産なので、遺産分割で分ける/相続税がかかる

お墓・仏壇・位牌・家系図は祭祀財産で、相続財産とは別に扱われます。遺産分割の対象にならず、相続税もかかりません。相続を放棄した方でも承継できます。

根拠:民法897条/相続税法12条1項2号

「相続放棄したからお墓は継げない」と思い込んで、承継する人が決まらないまま放置されることがあります。

自分の土地なら、お骨を埋めてよい

焼骨を埋蔵できるのは、都道府県知事等の許可を受けた墓地だけです。自分の土地でも、庭に埋めることはできません。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律4条1項

自宅に骨壺を置いておくこと(手元供養)は、埋めない限りこれに当たりません。「置く」と「埋める」は別のことです。

改葬許可証をもらえば、あとは自由に納められる

墓地・納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取ってからでなければお骨を納めさせてはいけないことになっています。許可証は、納める先に渡します。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律14条1項

許可証を手元に持ったまま納骨に行くと、その日に納められないことがあります。

改葬許可を申請する先

改葬許可の申請は、いまお骨がある場所の市区町村へ出します。移す先の市区町村ではありません。

言葉の整理

ここがずれていると、あとの説明が全部ずれます。

改葬埋葬した死体を他の墳墓に移すこと、または埋蔵・収蔵した焼骨を他の墳墓・納骨堂に移すことをいいます。法律上の手続きが要るのは、ここです。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律2条3項

墓じまい法律の言葉ではありません。ふつう「改葬+墓石の撤去+区画の返還」をまとめて指します。呼び方が決まっていないので、事業者と話すときは何をどこまで頼むのかを1つずつ確かめてください。
分骨お骨の一部を分けて、別の場所にも納めることです。分骨は改葬ではありません。(全部を移すわけではないため)。改葬許可は要らず、墓地の管理者または火葬場から分骨証明書をもらいます。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則5条

承継お墓(墳墓)・仏壇や位牌(祭具)・家系図(系譜)を受け継ぐことです。これらは相続財産ではありません。遺産分割の対象にならず、相続を放棄した方でも承継できます。

根拠:民法897条

無縁墳墓承継する方や縁故者が分からなくなったお墓のことです。墓地の管理者が改葬するには、官報への掲載と立札の掲示を1年間行うなどの手続きが要ります。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則3条

改葬の流れ(8段)

新しい納骨先を決めるのが先です。改葬許可の申請に受入証明書を求める自治体が多く、先にお墓を撤去すると、お骨の行き先が無いまま手元に残ります。

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    新しい納骨先を決める

    いちばん先に決めます。霊園・納骨堂・樹木葬・永代供養墓のほか、既にあるお墓へまとめる形もあります。決まると「受入証明書」(使用許可証)が出ます。

    先にお墓を撤去してしまうと、お骨の行き先が無いまま手元に残ります。順番を入れ替えないでください。

    誰が:自分(申請する人)お墓・霊園・納骨堂を探す

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    受入証明書をもらう

    新しい納骨先から、受け入れることを示す書類(受入証明書・使用許可証など、呼び方は様々)をもらいます。改葬許可の申請に添える自治体が多くあります。

    求められる書類は市区町村ごとに違います。先に窓口へ確かめるのがいちばん早道です。

    誰が:新しい納骨先

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    いまの墓地の管理者に伝える

    寺院墓地なら住職に、霊園なら管理事務所に伝えます。次の「埋蔵証明書」を書いてもらう必要があるので、黙って進められません。

    ここが、いちばん気が重いところだと思います。決めた事実だけを伝えれば十分で、理由を細かく説明する義務はありません。

    誰が:自分(申請する人)

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    埋蔵証明書を書いてもらう

    いまの墓地の管理者が、そこにお骨が納められている事実を証明する書類です。改葬許可申請書の中に証明欄があり、そこへ署名をもらう形の自治体もあります。

    根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則2条2項

    墓地の使用者と申請する人が違うときは、使用者の承諾書も要ります(同項)。

    誰が:いまの墓地の管理者

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    改葬許可を申請する

    いまお骨がある場所の市区町村へ申請します(新しい納骨先の自治体ではありません)。許可されると改葬許可証が交付されます。

    根拠:墓地、埋葬等に関する法律5条1項・2項

    お骨1体につき1枚が基本です。複数の方が納められているお墓は、人数分の申請が要ります。

    誰が:市区町村の窓口この手続きの窓口を地域から探す

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    閉眼供養をして、お骨を取り出す

    お骨を取り出す前に、閉眼供養(魂抜き・お性根抜き)を行うのが一般的です。宗派によって呼び方も考え方も違います。

    法律上の決まりではありません。浄土真宗のように「魂を抜く」と考えない宗派もあります。菩提寺の考え方にしたがってください。

    誰が:自分(申請する人)

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    墓石を撤去して、区画を返す

    墓石を解体・撤去し、区画を更地に戻して(原状回復)返還します。霊園によっては石材店が指定されていることがあります。

    見積りは内訳を分けて出してもらってください(下の「費用の見方」)。「一式」だけの見積りは比べられません。

    誰が:石材店受け取った見積書を並べて比べる

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    新しい納骨先へ納める

    改葬許可証を、新しい納骨先の管理者へ渡します。管理者は許可証を受け取ってからでなければ納めさせてはいけないことになっています。

    根拠:墓地、埋葬等に関する法律14条1項

    許可証を持ったまま納骨に行かないよう、当日に渡す書類として分けておいてください。

    誰が:新しい納骨先

要る書類

様式も、求められる書類も、市区町村ごとに違います。下は多くの自治体に共通するものです。

書類どこから中身・気をつけること
改葬許可申請書いまお骨がある市区町村様式が市区町村ごとに違います。その自治体のものを使ってください。亡くなった方の本籍・住所・氏名・死亡年月日、埋葬または火葬の場所と年月日、改葬の理由と移す先、申請する人と亡くなった方との続柄などを書きます。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則2条1項

埋蔵証明書(収蔵証明書)いまの墓地・納骨堂の管理者申請書の中に証明欄があり、そこへ署名・押印をもらう形の自治体もあります。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則2条2項

受入証明書(使用許可証)新しい納骨先添付を求める自治体が多くありますが、求めない自治体もあります。先に窓口へ確かめてください。
墓地使用者の承諾書墓地の使用者墓地の使用者と、申請する人が違うときに要ります。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則2条2項

改葬許可証市区町村(許可されたとき)新しい納骨先に渡す書類です。手元に残すものではありません。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律8条

分骨証明書墓地の管理者または火葬場分骨のときはこちら。改葬許可は要りません。

根拠:墓地、埋葬等に関する法律施行規則5条

承継(誰がお墓を受け継ぐか)

順番が民法897条で決まっています。「長男が継ぐ」という法律の決まりはありません。

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    1. 亡くなった方が指定した人

    遺言に限らず、生前に口頭で伝えていた場合も含まれます。指定があれば、その方が承継します。

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    2. 指定が無ければ、慣習にしたがう

    その地域・その家のこれまでのやり方にしたがいます。「長男が継ぐ」という法律の決まりはありません。親族以外の方でも、承継できます。

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    3. 慣習も分からなければ、家庭裁判所が決める

    話し合いがつかないときは、家庭裁判所に申し立てて決めてもらいます。

祭祀財産は、相続財産とは別に扱われます

お墓・仏壇・位牌・家系図は祭祀財産といい、相続財産とは別に扱われます(民法897条)。遺産分割の対象にならず、相続税もかかりません(相続税法12条1項2号)。相続を放棄した方でも承継できます。 承継したからといって、管理料や法要の費用を1人で負担しなければならない決まりもありません(ご家族で分けているお宅もあります)。

離檀料について

離檀料(りだんりょう)について、よく聞かれることをまとめます。

  • 支払い義務を定めた法律の規定はありません。これまでのお付き合いへのお礼として渡す慣習で、金額の決まりもありません。
  • そのぶん、金額の目安もありません。こちらでも「相場」は出しません(根拠のある数字を持っていないためです)。
  • 「払わなければ埋蔵証明書を出さない」と言われることがあります。その場で決めずに、いったん持ち帰ってかまいません。
  • 話がまとまらないときの相談先は下にあります。金額の交渉そのものを、このサイトが代わりに行うことはありません。

話がまとまらないときの相談先

消費生活センター(消費者ホットライン 188)契約・金銭のトラブル全般公式サイトを開く
弁護士会の法律相談話し合いがつかないとき日本弁護士連合会
市区町村の墓地担当窓口手続きそのものの確認

費用の見方

見積書で分けて出してもらう項目です。

墓石の解体・撤去区画の広さ(㎡)と墓石の大きさで変わります。「1㎡あたり」で出してもらうと比べやすくなります。
撤去した石の運搬・処分解体費に含まれるか、別かを確かめてください。
区画の原状回復(更地に戻す)霊園ごとに「どこまで戻すか」の決まりがあります。管理者に確かめてから見積りを頼んでください。
重機が入れないときの割増山の上・階段の先・区画が奥まっている場合、手作業になって金額が変わります。現地を見てもらってから出してもらってください。
お骨の取り出し納められている数で変わります。土に還っている場合の扱いも聞いてください。
閉眼供養のお布施石材店の見積書には載りません。宗教者へ直接お渡しするものです。
お骨の運搬自分で運ぶこともできます(宅配で送る形を受ける納骨先もあります)。
新しい納骨先の費用永代使用料・墓石工事費・年間管理料は別々にかかります。

相場を出していません

このサイトは、墓じまいの費用の相場を出しません。区画の広さ・墓石の大きさ・重機が入れるか・地域で何倍にも変わり、根拠のある数字を持っていないからです。金額そのものより、上の項目が1つずつ分かれて書かれているかを見てください。「一式」だけの見積りは、他社と比べられません。

受け取った見積書を並べて比べる

よくある質問

改葬許可はどこの市区町村でもらいますかいまお骨がある場所の市区町村長が許可を出します(墓地、埋葬等に関する法律5条2項)。新しい納骨先の市区町村ではありません。遠方の実家のお墓を移すときは、そのお墓がある市区町村の窓口へ申請します。
墓じまいと改葬は同じことですか同じではありません。「墓じまい」は法律の言葉ではなく、ふつう「改葬(お骨を移す)+墓石の撤去+区画の返還」をまとめて指します。法律上の手続きが要るのは、そのうちの改葬の部分です。
分骨にも改葬許可が要りますか要りません。分骨は改葬ではないため、改葬許可の申請ではなく、墓地の管理者または火葬場が出す分骨証明書を使います(墓地、埋葬等に関する法律施行規則5条)。
お墓は遺産分割の対象になりますか。相続税はかかりますかお墓・仏壇・位牌・家系図は祭祀財産といい、相続財産とは別に扱われます(民法897条)。遺産分割の対象にならず、相続税もかかりません(相続税法12条1項2号)。相続を放棄した方でも承継できます。
離檀料は必ず払わなければなりませんか支払い義務を定めた法律の規定はありません。これまでのお付き合いへのお礼として渡す慣習で、金額の決まりもありません。金額に納得できないときは、その場で決めずに消費生活センターや弁護士会の法律相談へご相談ください。
墓じまいの費用の相場を教えてくださいこのサイトでは相場を出していません。区画の広さ・墓石の大きさ・重機が入れるか・地域で何倍にも変わり、根拠のある数字を持っていないためです。金額そのものより、解体・運搬・原状回復・お骨の取り出しなどが1つずつ分かれて書かれているかを見てください。

無縁墳墓として扱われそうなとき

承継する方や縁故者が分からなくなったお墓(無縁墳墓)を、墓地の管理者が改葬するときは、官報への掲載と、墓地の見やすい場所への立札の掲示を1年間行い、その間に申し出が無かったことを示す書類を添えることになっています(墓地、埋葬等に関する法律施行規則3条)。これは墓地の管理者が行う手続きで、ご遺族が行うものではありません。 ご自身のお墓が無縁墳墓として扱われそうなときは、まず管理者へご連絡ください。

はじめにお読みください

改葬に、法律上の期限はありません。 急いで決めなくてよいことです。手続きに必要な書類と様式は市区町村ごとに違うので、いまお骨がある場所の市区町村の窓口で、先に確かめるのがいちばん早道です。ここに書いてあることと違っていたら、窓口の案内が正です。

条文を示せるものだけ根拠を付けています。示せないものには付けていません。個別の事情(承継で話がつかない、墓地の管理者と折り合わない等)の判断は、専門家にご相談ください。

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